Q. Yさんはヒーリングの仕事をして16年になる。最初は自宅の一角で始め、やがて外で場所を借りてできるようになり、そのうちに紆余曲折を経て、都心に小さな事務所を構えられるようになった。今のYさんの事務所は、古いビルの中にある。造作がしっかりしているので、外目には古く見えないが、築年数から考えて、そのうち建て替えの時期もやってくることは確実だ。将来を考えたとき、立ち退きを迫られてから、次の場所を苦労して賃貸を探すのは避けたい。次の候補を早めに探す方がいいのか、今から購入することを前提に計画を立てた方がいいのか。安全なのは前者だが、Yさんの心は後者に傾いている。しかし、購入するには融資を申し込む必要があるので、後者を選んだ場合、リスクも抱えることになる。リスクを抱える勇気が持てるのか?タロットで方向性を見極めることにした。
(S・Yさん 40代 東京
A.(1)
現状 |
|
賃貸で転々とするより、できれば、マンションの一室でも購入して、自分の仕事の拠点を定めたいと願っているYさん。いざ一生ものの大きな買い物をするとなると、心のどこかで「そんな冒険をして、本当に大丈夫?」とささやく自分もいて、せっかくの決意を鈍らせてしまう。現状の「力」の逆向きは、リスクを悲観的に考えるあまり、リスクへの不安に振り回されるYさんをあらわしている。自分の力で何とかしなければならないと、気負いすぎもあるだろう。
(2)
経緯 |
現状 |
|
|
経緯の「運命の輪」は、これまでやってきたYさんの仕事ぶりをあらわす。Yさんの仕事は、最初のうちこそ細々としていたが、やがて時代の流れに乗り、時代の恩恵を受ける形で仕事として回転し始めた。波に乗ったからできた幸運もある。カードから、潮の流れをしっかり見なさいと言われているようでもある。将来のことを見据えた準備をするにも、流れを見て潮時をつかむことが大切。
(3)
「斎宮」は、綿密な計算をしながら、事務所取得へ向けて、場所の選定と資金調達のスケジュールを立てるYさんである。未来志向の気持ちだけで漠然としたプランを思い描くのではなく、取得へ向けて、必要書類の整備をしながら、沈着冷静に計画を立てるとよいだろう。
(4)
「力」Rの対策カードは「星」である。このカードを見て、Yさんは自分の原点を見る思いがした。この仕事を始めたのは、「癒す」ことを通じて、人の役に立つためであった。この仕事に献身することで、何よりも自分が成長し、豊かになった。その喜びが自分を後押しし、気が付いたら16年経っていただけのことだ。ならば、将来を悲観的に考えて怯むのではなく、この原点に立ち返り、この原点をやり続けることだけ考えればいいのではないか。「星」の女神が、無尽蔵の壺を持って献身的に注ぎ続けるように。Yさんはこの対策カードを見て、気持ちが楽になった。
(5)
「星」の注目カードに「愚者」が出たことで、Yさんは「星」のカードから受け取ったタロットからのメッセージを一段と強く感じた。「愚者」はYさんに、「初心に帰れば大丈夫。初期のころのように純粋な情熱を持ってやっていけばいいんだよ!」と激励しているようだ。
アドバイスカードは「仕事師」。仕事のカードである。原点に立ち返って仕事をする。そうすれば、その結果が次の仕事を作り出す。やるべきことはシンプルなのだ。心をシンプルなままやっていくだけだと思えた時、リスクへの不安は、自分が作り出したつまらない妄想だったことに気付いた。余分なことを考えないで、希望の方向に進めてみよう。
前のケーススタディへ