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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代エジプトの叡智を学ぶ魂の学校です。

ケーススタディ175

最新のケーススタディ 2012年11月25日号 掲載

Q. 女性支援センターで働くAさんが、タロット・リーダーTさんのところに相談にやってきた。不安定で閉塞感が漂う世相を反映してか、女性の駆け込み寺的存在の女性支援センターは忙しい。センターを訪れる女性は、深刻な問題を抱えていたり心に深い傷を持つ人が多いので、職場のスタッフは強い精神力と大きな人間力が必要とされる。その点、Aさんはいつも笑顔を絶やすことなく、献身的に働く理想的なスタッフである。以前は上司にかわいがってもらったAさんだが、上司の移動に伴い、Aさんは職場で経験のある先輩として新人職員を引っ張っていく存在となった。Aさんは張り切っているが、頑張るほど、同僚との関係がしっくりいっていないように感じ、ストレスが溜まってしまうという。この流れを何とか変えたいと思って、Tさんにタロットのリーディングを申し込んできたのである。

                           (K・Aさん 50代 神奈川
A.(1)

 現状
 
現状は「悪魔」が正立で出た。職場の人間関係としては一体感があり、Aさんが心配するような問題は見受けられない。いつもにこにこして仕事に打ち込むAさんは、新人職員からすればお手本で、信頼も篤いようだ。Aさんがカードで一番注目するのは、真ん中にどっしり構える悪魔である。上司が去った後、一番の経験者はAさんなので、上に立つ者として恥ずかしくないよう、理想的なふるまいをするよう頑張ってきた。でも、ひょっとしたら、理想的な先輩でなければならないとの思いが強すぎて、その思い込みが同僚とうまくいっていないと感じさせているのかもしれない。「いい人」でいたいと思うあまり、自己欺瞞に陥ってしまっているのだ。カードは逆向きではないが、絵柄はAさんに重要なポイントを教えてくれる。

(2)
 経緯 現状
   
経緯は運命の輪」R。スフィンクスの座にいた上司が異動となり、くるくる回る輪につかまるAさんと新人職員がてんてこ舞いしながら仕事をしている様子がよくあらわれている。新しい職場の流れに乗り切れない、というより、経験者として新しいスムーズな流れを作り出せず苦闘しているAさんの心境を映し出しているようでもある。Aさんは新人を「同僚」と表現するが、実際には、キャリアからいって先輩と後輩くらい立場が違う。「同僚」は横の関係。しかし、先輩と後輩には上下の関係が生じる。かつて、上司のもと働いていたAさんが、状況が変わっても「同僚」の意識のままでいることが、問題を作り出しているかもしれない。ここでも、「いい人」と思われたいという気持ちが裏目に出ている。

(3)  
経緯 現状 展望
     
展望は「恋人」Rである。今は、Aさんが職場の人間関係がうまくいかないと感じているだけだが、問題を放置すれば、遠からず本当に職場のコミュニケーションに支障を来すことになる。女性支援センターは、辛い問題を抱えた女性の拠り所なのだから、センターが十分機能するためにも、スタッフ一同の意思疎通を図ることは重要である。

(4)
経緯 現状 展望
     
     
   (4)  
「運命の輪」Rの対策カードは「月」となった。2匹の犬が向き合って吠えている。2匹の犬はAさんと新人で、霊性をあらわす空色の犬が先輩格のAさんである。愚痴を言わないAさんは、問題があってもほとんど自分の中で処理してしまう。相手の気持ちを思いやりすぎて、「自分が~すれば、済むことだから・・・」で終わらせることが多いのだ。自制心があるという点では素晴らしいが、カードはAさんに、もっと率直に話すことを勧める。霊性の犬のAさんは、感情や自分本位の要求をぶつけたりしないのだから、言うべきは言う、時には自分の本心を包まずに語ったほうがよいとのアドバイスである。

(5)
経緯 現状 展望
     
   
 (4)  (5) 
「恋人」Rの対策カードは「隠者」である。どうすれば職場でコミュニケーションがうまく取れるようになるのか、今回の問題は、Aさんに自分のあり方を考えるきっかけを与えてくれる。振り返ってみれば、家庭でも、理想の母、理想の妻であろうとして、いつの間にか頑張りすぎ、その頑張りがストレスを生み出すことがよくあった。職場で抱える問題も同じであることに気付いたAさんはハッとする。イライラもストレスも自分の心の中で生じるものだから、いつも心が作り出す問題は似通っている。自分の中の生き方や考え方を変えないと問題は解決しないと思い至ったAさんである。

(6)
経緯 現状 展望
     
 
  (4)    (6) (5) 
「隠者」の注目カードは「節制」。壺から壺へ一滴の無駄もなく移し替えられる様子は、人から人へ気持ちが過不足なく伝わり、二人が気持ちのキャッチボールを楽々としている姿を思い起こさせる。Aさんから働きかけてこんなやり取りができるようにすれば、職場の人間関係は一段と円滑になり、女性支援の名にふさわしい救済センターとして機能できるようになるだろう。

「いい人」であることを何よりも大切にしてきたAさんに、何よりも強烈だったのは対策カードの「月」である。『「月」のように振る舞っていいんですよ、いや、遠慮気兼ねせずもっと「月」のようにしたほうがいいんです!』と、後押しを受けた。「月」のイメージを大切にしていけば、余分な力が抜け、ストレスからも解放されるに違いない。

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