Q. 永らく美容の仕事に携わってきたHさんは、取引先の人やクライアントさんから悩み事の相談を受けることが多い。Hさんは面倒見がよく、Hさんに相談するとうまく行くことが多いので、Hさんに相談すれば何とかなると思う人が多いのだ。Hさんはこうした状況を見て、これからは、美容の仕事というよりは、心の問題を抱えている人の力になりたいと思うようになった。そのためのツールとして、Hさんはタロットを選んだ。学び始めて、歯ごたえを感じるHさん。この学びを続けて、将来は仕事につなげていきたいと思う。この方向性で進んでいいだろうか。
(T・Hさん 50代 神奈川)
A.(1)
現状 |
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未熟ながらも新しいことに挑戦し、一生懸命取り組む「仕事師」は、タロットを学び始めたばかりのHさんである。従来の仕事をしながら、新しくタロットを学び始めるだけでも大変なのに、引っ越しも重なったHさんの忙しさは半端ではない。引っ越し業者に、荷物が多すぎて間に合わないと言われる中、Hさんは睡眠時間を削ってやり遂げた。睡眠不足の圧倒的ハンディがあるにも関わらず、ワクワクするタロットの授業には集中。気力も十分でタロットに向かうが、時々、度忘れしてチラリとノートを見るHさんの現状そのままである。ちなみに、イシスのタロットの初級は「仕事師」コースという。正立なので、Hさんに、タロットの学習がぴったりであることがわかる
(2)
経緯 |
現状 |
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Hさんはいろいろな人から相談を受けることを歓迎していたが、相談者になることの責任の大きさも痛感していた。自分の人生経験などたかが知れている。自分なりの思い込みや偏見がないともいえない。自分の言う一言の重みを考えると、自分の持っているものだけでは足りないと思っていた。また、人を美しくする仕事をしていく上で、美しい心を持てるようにすることが、やはり大切。そのためにどうすればいいか。「正義」Rは、Hさんが直面していたこの問題をよくあらわしている。
(3)
レンガがすき間なく積み上がって大きな家が出来上がっている。タロットの学習をしっかり継続していくとよい。Hさんには、逆立ちする人物と家から身を乗り出す人物が目に留まる。逆立ちする人物は、嬉しくてとんぼ返りをしているようにも見える。Hさんは、引っ越し先の新居の一室が、タロットのリーディングにぴったりと思ったそうだ。二人の人物は、Hさんのところに相談に来て、心が晴れ、大喜びで、帰り道にとんぼ返りをするクライアントさんとそれを見送るHさんかもしれない。
(4)
「正義」Rの対策カードは「教皇」で、Hさんがぶつかっていた問題に対し、確固たる伝統を引き継ぐものを学ぶといいとのメッセージである。Hさんは友人からマルセイユ・タロットのことを聞き、タロット・リーデイングを受けて、タロットを学ぼうと思った。確かなものを学ぶことで、自分のところに来てくれる人へのよき相談者・助言者になれるに違いないと思ったのである。幸い、マルセイユ・タロットは古代からの智慧を保存している。タロットはHさんに賢明な道を開いてくれるだろう。
(5)
「教皇」の注目カードは「宙吊り」で、ロープで自分をしっかりつなぎ止めている。自分がつながっているものをじっくり味わい、自分をその世界に浸している。そうすることで、「宙吊り」が、両足で立っているときとは全く違う見方をしているように、Hさんも、今までの自分の人生観や価値観とは違う視点が持てるようになるだろう。
アドバイスカードは「女帝」。人望があって気配りができる「女帝」は、社交の中心である。これはHさんのことである。Hさんのところに来る人たちが皆、元気になれるよう、Hさんは、今から、将来を見据えて、タロットの学習計画を立て、後は実行あるのみである。
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