Q. Sさんは、長年、住み慣れた家の改修を終えたばかりである。半年前から、業者さんと何度も打ち合わせをしてきた甲斐があって、すべてがスムーズに進み、Sさんはその仕上がりに満足している。改修中、リーダーを中心に、それぞれのプロが自分の分担を果たし、次の担当者に引き継いでいく。その姿を見て、Sさんはチームワークの良さに感心したが、もう一つ美点だと感じたことがある。皆、早起きで、仕事にとりかかる前に、しっかり時間をかけて準備していることだ。Sさんも、業者さんがチャイムを鳴らす前に、すべてを終えておかなければならないため、改修中はいつになくずっと早起きした。10日間も早起きを心がけると、その良さが感じられてくる。Sさんの場合、仕事で夜遅くなることも多く、食事や睡眠時間を考えると課題も多いが、徐々に朝型に切り替えていった方がいいように思う。どうだろうか。
(K・Sさん 50代 東京)
A.(1)
現状 |
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現状は、まっすぐ前を見て、冷静に現実を判断する「正義」が正立で出た。朝型に切り換えていけば、生活全体のバランスもよくなることが分かる。大工さんたちのように朝早くから行動開始するのは、帰宅が夜9時や10時になることもある今のSさんには、かなり努力のいることだが、改修中はしっかり対応できた。ルーティンワークのやり方を工夫すれば、うまくいきそうである。
(2)
経緯 |
現状 |
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経緯の「神の家」は、Sさんが朝型への切り替えを考え始めた出来事が、家の改修であったことをよくあらわしている。大工さんたちが早々と玄関前に到着し、作業の準備をしている。Sさんは時計を見ながら身支度し、チャイムが鳴ると急いで玄関口に走る。「神の家」の建物から身を乗り出す人物は、Sさんの朝の様子そのままである。あわただしい日々であったが、朝、早かったおかげで、朝の時間帯にゆとりが持て、自分の生活スタイルの見直しにもなった。若い頃は早起きで、子供の頃も完全な朝型だったSさん。忙しく仕事をするうちに、気が付けばすっかり夜型の生活に。昔を思い起こしながら、やはり朝型に切り替えた方がいいかなと思う。
(3)
展望も「隠者」の正立となり、展開は3枚で完結することから、朝型へ切り替えた方がいいようだ。今までは、帰宅後、遅い食事を取った後で、家事をしたり、持ち帰った仕事をやることもあった。やらなければならないことを先送りしないためであったが、それにこだわりすぎて深夜に及び、生活のリズムを崩してしまったこともあった。Sさんは「隠者」カードをじっと見ているうちに、がむしゃらに深夜まで頑張るのではなく、智慧を使った工夫をすればうまく行くのではないかと思うようになった。
「隠者」は老人で描かれているので、一気に切り替えようなどと思わず、徐々に変えていくことも成功の秘訣である。早朝のさわやかな時間が増えるにつれて、時間の使い方も賢くなるだろう。
アドバイスカードは「力」である。よし、やってみようと思い切れば、Sさんはきっとできるだろう。深夜、疲れてボーっとしたまま行うより、すっきりした心と体で、朝を目一杯有効に使う方が、ずっと積極的に生きることができる。Sさんは、まず、やってみようと思った。
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