Q. Eさんは、毎年暮れになると、ヒーリング仲間に声をかけて、忘年会を兼ねた懇親会をしてきた。1年に一度だけの集まりであるが、Eさんが発案し、率先して引っ張ってきた。仲間が発展していくことを願って始めたが、なかなか弾みがつかない。各自がその人なりに頑張っているようにも見えるが、現実と理想のギャップは大きいようだ。Eさんは、懇親会をきっかけとして、この沈滞ムードを何とかして払拭し、もっと勢いのある流れを作り出したいと思っている。どうしたらよいだろうか。
S・Eさん 40代 東京
A.(1)
現状 |
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「運命の輪」の正立から、懇親会をばねにして、皆の活動をもっと活性化させたいと願うEさんの気持ちが読み取れる。Eさんにとって、ヒーリング仲間は運命共同体でもあるので、仲間が元気に仕事をしているか、その仕事が順調であるかどうかは気がかりな問題である。皆の気持ちを盛り立てて、今一度、流れに乗せたいと思っている。カードは正立なので、ちょうどいいチャンスが来ていることがわかる。
(2)
経緯 |
現状 |
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経緯は「正義」Rで、厳しい顔つきと逆さになった天秤から、仲間の状況はあまり芳しくなく、理想と現実のアンバランスが大きいことが見て取れる。Eさん自身も厳しい状況に置かれてきた。振り返ってみれば、身動きできないほど仕事が忙しく、心に余裕が持てなかった。力不足といえばそれまでだが、停滞する仲間を思いやったり、適切な手を打ったりすることができなかった。Eさんは、カードを見て、状況を打破できなかった自分は、まだまだ未熟だと思う。
(3)
展望は、「神の家」が正立で、レンガがしっかり積み上がっている。Eさん自身が、焦らず、じっくり取り組んでいくことだ。また、天からこの建物に燃える炎のようなエネルギーが注ぎ込まれるように、これまで仲間を引っ張ってきたEさんは、これからも仲間を鼓舞する思いや情熱を注ぎ続けていくとよい。こうした熱い思いが隅々まで行き渡らないと、全体の発展は進まないものである。
(4)
「正義」Rの対策カードは「教皇」である。中央に構える教皇がEさんにちがいない。仲間とはいえ、Eさんは仲間からすれば大先輩だからである。先輩の自覚がないわけではなかったが、これまで、ややもすると仲間を横の関係でとらえがちであった。しかし、カードを見て、Eさんは、もっと先輩としての自覚を持って、後輩である仲間に接しなければならないことに気づいた。
(5)
「教皇」の注目カードは「太陽」で、このカードの2人の人物からも、先輩が後輩を迎え入れ、導いている様子がわかる。ひょっとしたら、Eさんは、太陽のように、熱い思いを持って、皆の心を照らし続ける役割かもしれない。照らし続けることで、皆の心からも熱意が生まれるようになるだろう。
アドバイスカードは「宙吊り」。絵柄を見て、Eさんの脳裏には、すぐ「忍耐」の2文字が浮かんだ。性急に成果を求めず、不動心で先輩の役割を果たし続けることが、今は必要なのだと納得したEさん。早く何とかしなければならないと思うあまり、自分自身が少し焦っていたかもしれない。「宙吊り」のように、悠然と構えて、皆に接していくことにした。
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