Q. Aさんは30代になって、人の心に寄り添える仕事をしたいと思うようになり、心理学やタロット、アストロロジーを学び始めた。今は、学費を生み出すためと割り切って、収入の良い夜の仕事をしながら、自分の夢を叶えるために猛勉強中である。でも、Aさんの生きがいはこれだけではない。パートナーを見つけることも同じくらい大切にしている。これまで長く付き合ってきた男性はいるが、Aさんには何か物足りなく思えて仕方がない。新しい出会いを求めた方がいいのだろうかと思っていたら、なんと心ときめく男性に出会ってしまった。デートを重ねるうちに、楽しく交流できるようになったが、心の中では、本当にこれでいいのか戸惑いもある。心を整理するためにタロットを開いた
S・Aさん 30代 東京
A.(1)
現状 |
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Aさんは「節制」のカードを見て、「これは私だわ。」とつぶやく。二つの壷をうまく操る姿は、仕事と勉強をうまくやり繰りして、デートの時間を作り出してきたAさんである。その甲斐あって、新しく出会った男性と親密な交流ができるようになった。カードは正立なので、Aさんが願った通り、今、二人は楽しい交流ができていることがわかる。
(2)
経緯 |
現状 |
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経緯は「戦車」Rで、このカードの人物は、新しく出会った男性と見ることができる。男性は、癒しを求めてAさんが勤めるお店にお酒を飲みに来たお客さんであった。Aさんは素敵な男性だと思って心をときめかしたが、男性の方は、客として来るだけであった。Aさんからの機転の利いた積極的アプローチで、男性もAさんに親密な気持ちを持つようになったのである。「戦車」Rと「節制」は向き合っているが、二枚を合わせてみると、男性を美化して熱いまなざしを送るAさんと、そうとは気づかずクールに対する男性の、これまでの関係が垣間見える。
(3)
展望の「皇帝」Rは、華やかな「戦車」に比べて、地に足がついた現実的な面が強い。カップルカードでは夫をあらわす「皇帝」Rなので、この男性とは現実のカップルになりにくいことを示唆している。鷲は卵を産んだところだが、逆向きなので、ここからも結実するところまで至らなさそうである。
(4)
「戦車」Rの対策カードは「運命の輪」で、このカードには3つの生き物が登場する。輪の上にいるのがAさん。経済力はあるけれど、Aさんが物足りなく感じているこれまでの彼が、下降していく左側の猿。Aさんに好意を抱き、Aさんにもっと近づこうとしている新しい男性が、上がろうとしている右側の犬である。実は、以前の彼とも関係を終わらせていない。心の中にまだ二人の男性がいるAさんに、カードは、すぐ追いかけるのではなく、しばらく静観しなさいと語る。「運命の輪」が潮の流れに従うように、しばらく状況を流れに身を任せるとよい。「戦車」Rも「運命の輪」も、輪で親縁しているので、輪を回していくこと。Aさんの心の中が定まるには、もう少し時間が必要であるようだ。
(5)
「皇帝」Rの注目カード、「月」Rでは、色の違う二匹の犬が目を引く。二匹の犬はAさんと新しい彼である。デートを重ね、話し合うほど、二人は互いの人生観や価値観、性格、好みなど、大きく違うことに気付きそうだ。一つになりにくい二人である。新しい男性は離婚歴があるので、傷がまだ癒えていないかもしれない。関係が深くなることに警戒して、違う色のままでいることにこだわることもあるだろう。外で飲んだり食べたりしてムードを味わうには楽しい関係のようだが、暗い色調の「月」Rから、先の見通しはあいまいである。
(6)
「皇帝」Rの対策カードは「神の家」が出た。最初に、Aさんの目に入ったのは建物で、Aさんにとっては、一生懸命学んでいる学校そのものである。今の勉強は、今後の人生の基盤を作れるかどうかに関わるほど重要なものである。カードを見て、最優先すべきはこれだと納得するAさん。二人の人物も象徴的である。建物の前を行く人は新しくであった男性、建物から身を乗り出す人がAさんと見えるが、二人とも相手を見ず、違う方向、違うものを見ていることにも注目するとよい。自分が見るべきものを見ることが大切である。
(7)
「月」Rの対策カード、「審判」からは、天使の存在がAさんの目に大きく映る。天の声に耳を傾けること、それは自分の本心の声を聴くことでもある。Aさんは「神の家」と同じく、天職のための準備に専念することが、今は天の声だと思う。これが実現するころには、Aさん自身もずっと成長し、その時の自分にふさわしい出会いがあるに違いない。そのためにも、やはり天に意識を向けることが先だ。
アドバイスカードの「女帝」は、澄んだ目で物事の本質を見抜いて人生設計をしている。男性に対しても、「女帝」のような目で見れば、一番素敵な人と巡り合えるだろう。まずは自分がその目を持つこと、そのために魂を磨くことだ。Aさんが勉強で取り組んでいるテーマでもある。Aさんも大いに納得。今の男性との交流はほどほどにして、もっと大きな人生設計をしていこうと思った。
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